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部下は、上司の「言葉」よりも「行動」を見ている

部下は、上司の「言葉」よりも「行動」を見ている

先日、新入社員のフォローアップ研修で、「職場のコミュニケーションについて、日頃感じている悩みや疑問」をテーマに、グループで話し合っていただきました。

全体発表の時間になると、ある受講者からこんな声があがりました。

「上司からは『明るく元気に挨拶しなさい』と言われるのですが、上司のほうから明るく元気に挨拶してくれることは、ほとんどありません」

その発表を聞いて、会場からはクスッと笑いが。

そこで私も雰囲気に乗って、

「それは、世の中の全上司を代表して、私がお詫びいたします」

と、深々とお辞儀をすると、会場は笑いに包まれました。

研修中の楽しいひとコマでしたが、この受講者の言葉を聞いて、改めて感じたことがあります。

部下は、上司が思っている以上によく見ている

「積極的に挨拶をしましょう」
「報連相をしっかりしましょう」
「失敗を恐れずに挑戦しよう」

上司や先輩が、部下や後輩にこのようなアドバイスするがあると思います。

もちろん、どれも大切なことです。

けれど、部下は上司に「何を言われたか」だけではなく、

その人が普段どのような行動をしているのかも、よく見ています。

「挨拶をしなさい」と伝えている自分は、部下に自分から気持ちよく挨拶をしているだろうか。

「報連相をしなさい」と言いながら、自分は部下に必要な情報をきちんと伝えているだろうか。

「失敗と恐れず挑戦しよう」と言いながら、自分は日々の仕事で新しい挑戦をしているだろか。

言葉で伝えることは大切です。

それと同じくらい、日頃の自分の行動から伝わっていることもあるのではないでしょうか。

上司にも、言いたいことがある

ここまで読むと、「上司の皆さん、しっかりしてください」という話に聞こえるかもしれません。

でも、私は新入社員や若手社員だけでなく、管理職の方々を対象とした研修も担当しています。

管理職研修では、

「部下が報告してこない」
「何を考えているのか分からない」
「分からないなら、もっと質問してほしい」
「主体性を持ってほしい」

このような声を聞くことがあります。

そして、新入社員や若手社員からは、

「上司が忙しそうで声をかけづらい」
「もっと話を聞いてほしい」
「上司からも声をかけてほしい」

という声があがります。

両方の立場の話を聞いていると、ときどき思うのです。

「あれ? お互いに、相手に『もう少しこうしてほしい』と思っているのでは?」

上司は部下に変わってほしい。

部下は上司に変わってほしい。

お互いに相手の行動が気になっているのに、自分が相手からどう見えているのかは、案外気づきにくいものです。

「相手にこうしてほしい」と思ったときこそ

上司と部下では、立場も経験も違います。

同じ出来事でも、見えている景色が違うことがあります。

そのため、すれ違いが起きるのは、ある意味では自然なことなのかもしれません。

大切なのは、そこで「相手が変わればいい」と終わらせないこと。

「もっと報告してほしい」と思ったら、

「私は、報告しやすい雰囲気をつくれているだろうか?」

「もっと上司から声をかけてほしい」と思ったら、

「自分から声をかけてみることはできないだろうか?」

「もっと明るく挨拶してほしい」と思ったら、

「まず、自分から気持ちよく挨拶してみよう」

相手を変えることは、簡単ではありません。

しかし、自分の行動は、自分で選び変えることができます。

相手に「もっとこうしてほしい」と思ったときこそ、

「では、自分はどうだろう?」

と、自分にも問いかけてみる。

上司と部下のコミュニケーションの溝を少しずつ埋めていくヒントは、自身を省みることにあるのではないでしょうか。